歴史と現況

歴 史※立梅用水通水190周年
文政6年、立梅用水完成図

明治40年頃の立梅井堰

大正10年頃の立梅井堰

昭和27年頃、県営立梅用水改良事業

平成7年、県営かんがい排水事業竣工

平成12年3月 河川応急対策事業により完成した立梅井堰

勢和村文化財の指定となった丹生素掘りのトンネル
1702(元禄15年) 紀州和歌山藩大畑才蔵立梅用水の原案というべき川俣川絵図(現地踏査の見取図)を完成させる。
1808.1(文化5年1月) 丹生村地士西村彦左衛門、庄屋長谷川周八立梅用水開設を発起する。
1808.3(文化5年3月) 波多瀬・片野・朝柄・古江・丹生の五ヶ村庄屋会議の結果、工事の同意となる。
1817.9(文化14年9月) 松阪・田丸両藩の滝川常之助、乙部才助、立梅用水実地測量を行う。
1820.2(文政3年2月) 紀州藩直属工事に着手。
1823.3(文政6年3月) 立梅用水完成
工事費12,600余両、人夫247,000余人
延長7里20余町(約30km) 開田面積160余町(約160ha)
(最初の井堰は、現在の飯南町桜橋下流約180mに設置する)
1829.7(文政12年7月) 大水により井堰流失、大修理する。
1870.9(明治3年9月) 大水により井堰流失、大修理する。
1872(明治5年) 紀州藩の費用により維持された用水が明治4年廃藩置県となり維持費の出所を失い水路は荒廃し、水田は94町歩に激減する。
1885.7(明治18年7月) 大水により井堰流失、明治19年粥見村(通称…弘欲岩)に井堰(三代目・・・初代より下流約900mの位置)を新設する。
1891.9(明治24年9月) 立梅井堰水掛地価更正不当処分取消の行政訴訟を起こすが却下される。
1905.3(明治38年3月) 立梅井堰普通水利組合設立
1919.9(大正8年9月) 台風により井堰全壊流失
1920.3(大正9年3月) 三重共同電力会社(現 中部電力)と毎年6月10日から110間のかんがい期間を除き、発電用水路として使用する契約締結
1921.4(大正10年4月) 400m程下流に井堰を新設、石張コンクリート造り
(現在使用の井堰)
工費74,000円(電力会社より寄付)
1951.4(昭和26年4月) 県営立梅用水改良事業着工
(波多瀬地内から古江地内まで18,000m)
1952.5(昭和27年5月) 法改正により立梅用水土地改良区と組織変更・認可
1971.5(昭和46年5月) 県営立梅用水改良事業竣工
立梅隧道1,100m、古江隧道847m、コンクリート開渠16,099m、総工費31,490万円
1982.8(昭和57年8月) 台風により取水ゲート、用水施設に大被害
1988.4(昭和63年4月) 県営かんがい排水事業(勢和地区)着工
1990.9(平成2年9月) 台風により取水ゲート、用水施設に大被害
1994.4(平成6年4月) 賦課基準及び賦課微収方法改正
1994.9(平成6年9月) 台風により取水ゲート、用水施設に大被害
1995.3(平成7年3月) 県営かんがい排水事業(勢和地区)竣工
丹生地区3,559m(土水路箇所を改良)
波多瀬名古地区988m(漏水の著しい民家部分を改良)
朝柄排水路613m(立梅放水路でもある菖蒲谷排水路)
総工費61,300万円(内波多瀬名古地区工事は、14,700万円を中部電力株式会社が負担)
丹生ほ場整備事業内の立梅用水工事3,143m
これらの事業完成により全線三方コンクリートの恒久的施設となる。
1995.4(平成7年4月) 農業用河川応急対策事業(立梅地区)着工
(工事概要)立梅井堰補強、取水施設、水路トンネルの抜本的改良
1998.12(平成10年12月) 地域用水機能増進事業(着工)
2000.3(平成12年3月) 農業用河川応急対策事業(立梅地区)竣工
2000.4(平成12年4月) 「あぜ道とせせらぎ」づくり推進事業、農林省、文部省に登録
2001.7(平成13年7月) 立梅井堰・空石積の築堤・素掘りのトンネル(3)・切り通し
計6件、勢和村文化財指定となる。
2002.1(平成14年1月) 立梅用水土地改良区型・21世紀土地改良区創造運動始まる。
2003.11(平成15年11月) 立梅用水開設180周年記念行事開催
2005.2(平成17年2月) 東海美の里百選認定「名称・あじさいの咲く立梅用水」
2005.4(平成17年4月) 彦左衛門記念公園・彦左衛門翁像完成
2006.1(平成18年1月) 勢和村と多気町が合併し新「多気町」となる。
2006.2(平成18年2月) 立梅用水が疏水百選に認定される。
2007.4(平成19年4月) 多気町勢和地域資源保全・活用協議会設立
旧勢和村地域と立梅用水土地改良区が一体となり農地・水・環境保全向上対策に取組む
(水土里ネット立梅用水が事務局)
2012.4(平成24年4月) 県営立梅地区 農業水利施設保全合理化事業着工
2012.7(平成24年7月) 立梅用水型小水力発電実験調査事業開始ANI_011.gif (1196 バイト)

立梅用水遺跡・歴史資料
立梅井堰(町文化財) 空石積の築堤(町文化財) 素掘りトンネル(町文化財) 切り通し(町文化財)

立梅井堰水神 紀州碑(立梅用水記念碑) 西導寺(用水建設功労物故者供養) 用水歴史資料館(ふるさと交流館内)

西村彦左衛門肖像 西村彦左衛門生家 西村彦左衛門銅像 西村彦左衛門記念公園


立梅用水は全国疏水百選に選ばれ、かんがい用水利用の他、以下のことが日々の暮らしにも利用されている。

@地域住民と土地改良区が協働し、農業用水を防火や環境用水といった地域用水としての機能増進に取組み、それが通年実用  されている。

Aあじさいの植栽による景観や親水整備に加え、用水施設を活用したあじさいまつりの開催など地域住民と都市住民との交流が活発に行われている。

B学校教育と連携した子ども教育や福祉・健康づくりのために活用されている。

C平成24年度から立梅用水型小水力発電の実証調査を始め、起きた電気は、売電することなく農業・農村活性化のため、地域住民の主体性により地産地消活動に活用される。

土地改良区概要

・水路延長 本流28km・支流1km
・水路断面 2,5m(W)×1,6m(H)〜 0,55m(W)×0,35m(H)
・水路勾配 1/1000〜1/3000
・取水量 発電用4.175t/s・かんがい用3.277t/s(慣行水利権)
・かんがい面積 436ha(多気町勢和地域5地区267ha・多気地域8地区169ha)
・組合員数 623名
・賦課金 5,812円/10a(経常賦課金5,8120円/10a)
・25年度収支予算 52,601千円
・組 織 総代31名・理事12名・監事2名・用排水調整委員6名・職員2名・専従員2名
 (理事長・北川 薫  副理事長・野呂郷武  総括監事・山岡 清)
(事業)
・農業
水利施設保全合理化事業着工
老朽水路橋2橋・老朽開渠3,301m・老朽隋道他718m
・発 電 ・中部電力(最大出力800kW/h)
・再生可能エネルギー
 開発・研究
・三重県・多気町・立梅用水・東京農大・九州工業大学・協和コンサルタンツの産官学連携による


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